
イタリアに住んでいてなんとなく気づいてはいたものの、ずっと見て見ぬふりしてきたものがあります。
それは母と子(とくに息子)の行き過ぎたスキンシップです…。
私にとってはあまりにもカルチャーショック過ぎて、目撃しては「きっと見間違いだろう」と即記憶から削除していたのですが、とある旅行をきっかけに向き合うこととなったのです…笑
これ、イタリア人男性と交際や結婚を考えている人にとっては重要視しなくてはいけないポイントかと思います。嫁姑問題として…。
そうでない人も、話のネタとして読んでいただければと思います…笑
向き合うことになった経緯
冒頭にお伝えした通り、たまたまとあるイタリア人家族と一緒に旅行に行く機会がありました。
その家族とは、母(50歳)、息子(15歳)、娘(18歳)、親戚のおばさん(60歳)です。私はそのメンバーに加わり4泊5日の旅行をしました。
(不思議なメンバーかとは思いますがそこを説明すると情報過多になるため、とりあえず受け入れてくださいな笑)
問題は、この母(50歳)と息子(15歳)です。
15歳といえば、いつ彼女を連れてきてもおかしくない『青年』です。つまり、異性を意識しない年齢ではないということ。しかも一般的には反抗期で、女子であれば「お父さんのパンツと一緒に洗濯しないで!」という多感な時期です。
補足情報ですが、私はその息子(15歳)と2年前にも会っているのですが2年前は青年というより、あどけない子供で私よりも身長が低かったと記憶していますが、2年ぶりに再会した彼は完全に見上げるほど成長しており、今はおそらく身長180cm近くあると思います。
後日、この衝撃的な経験をイタリア人の友達に「イタリアでは当たり前なのか」を尋ねました。
この友達(ジュリア先生(仮名))の意見を交えながら、私の経験をコミカルにお伝えしようと思います笑

チャオ!私がネギの友達のジュリア(仮名)よ。
私は見た -母と息子の行き過ぎたスキンシップ-
5メートル置きにハグ
街から街への移動は車ですが、観光地は歩いて散策します。
その観光地での散策中に、頻繁に(5メートルおきぐらいに)ハグしているのがこの母(50歳)と息子(15歳)。
個人的には、ハグというより抱き合ってる…。挨拶のハグではなく(そもそも5mおきにハグなんかしない)、ぎゅ~と抱きしめ合ってるのです。
ジュリア先生、これはイタリアでは当たり前ですか?

親子のハグは珍しくないわね。仲が良ければ挨拶のハグや感情が高ぶったときなどはあり得るわ。ただ、5mおきのような頻度は普通じゃないわね。
母子の恋人つなぎ
しかも、その散策中にハグだけでなく、つねに恋人つなぎ(指を絡ませる手つなぎ)で一緒に歩いているのです。

・・・・・・・・・15歳なのよね?
メンヘラな母親
人数の多い旅行のため、息子(15歳)が別の人(我々のうちの誰か)と会話をしながら歩いたり、ふらっと他の場所に目が移り立ち寄ることもしばしばありましたが…
母(50歳)が息子(15歳)に「Perché mi lasci? (なんで私を置いてくの?)」と、呼びかける場面がいくつかありました。
ジュリア先生、いかがお考えでしょうか?

・・・ハァ。そういうマンマっているのよね。
恋人のように肩を寄せ合う親子
この旅行ではホテルではなく、アパートの一室を借りそこで寝泊まりしました。
そのアパートのリビングにあるソファに息子(15歳)が座っていたのですが…
ソファに座っていた息子は通りすがった母の手首を掴み、無言で引き寄せた。
母はためらいなく息子の横に座り、180cmの身長の息子の肩に頭を委ねる。
息子はそんな健気な母の肩を抱き、そして息子も自分の頭を母の頭部に預け、まるで恋人かのようにお互いに身を寄せ合ったのであった。
ちょっと、もうどう表現していいのかわからず、こっちのほうが描写が伝わるかなとあえて小説風しました。
気を取り直して、ジュリア先生、いかがでしょうか?イタリアでは普通ですか?

Oddio(神よ)……….
恋人以上に顔を近づける親子
みんなで海に行ったんですが、ビーチで彼らはこの距離で会話してました。
プライバシーの面で直接写真を載せるのは良くないかと思うので実際の写真を加工してみました。下図をご覧ください。
みなさん、どう思いますか?この距離で話す親子を私は見たことありません。
ジュリア先生(仮名)以外にも別のイタリア人の友達にも聞きましたが絶句していました。
※ちなみに、母(50歳)はビキニですがイタリアでは珍しいことでありません。80歳だろうがビキニの人はいます。(ワンピースタイプの水着を着る人もいますが、日本だとそもそも水着を着たくないという女性は多いですよね。イタリアはそんなことはありません。)
この親子以外の事例
この親子はイタリアの中でも行き過ぎてはいますが、とはいえ過度なスキンシップはこの親子だけではありません。
別の親子の事例①
今回とは別の親子とランチに行ったときの話です。
その母親は50歳過ぎで、息子は22歳ぐらいでした。
その日、母親は海水浴帰りで水着の上にキャミソールワンピースを着ていました。
※イタリア人は何歳になっても海好きが多く、夏の海辺付近だとこのような格好の人が多くいます。
本題ですが、食事の合間に息子は母親の素肌の背中を指の腹で四六時中さすっていたのです。
もし、百歩譲って、寒そうにしている母親に対し、“手のひらで”でさすっているのならわかりますが、まるで恋人に対する愛撫かのように指の腹で優しく撫でまわしているんです。
されている母親は、「ちょっとやめてよ~」などの反応も一切なく、スンとしているんですよね。いかに、彼女にとって不思議ではない行動なのが伺えます。
別の親子の事例②
これもまた別の親子の話です。
これこそ衝撃的過ぎて見間違いだと自分に言い聞かせていたことなのですが…
当時15歳ぐらいの男の子と、その母親がキスをしていました。
頬ではなく、唇と唇です…。
「見間違いだ」と記憶から消してしまったため(実際は消えてはいないけど)、詳細な状況は覚えていませんが、「宿題終わらせたの?Bravo! マンマにチューは?」ぐらいのノリだと思います。(…ぐらいのってのも変ですが)
つまり、当たり前の親子のスキンシップかのこどく、普通に人前でしていました。
別の親子の事例③
この話をジュリア先生(仮)にしたとき、ジュリア先生も間接的に身に覚えがあるようで友達の話をしてくれました。

私の友達にもこういうことがあったわ…
その友達がとある男の子と交際をしていたとき、その男の子の母親は“息子の全てを把握したい母親”だったそうで、プライバシーが全くなかったようです。
つまり、二人きりの空間にいても母親がいつ進入してくるかわからないし、どこまでプライベートな話を息子が母親に伝えているのかわからないのです。
結局、彼女のほうに限界がきて別れたようです。
そもそもの日本とのスキンシップの違い
ここまで色々と衝撃的なことをお伝えしましたが、なぜこのような親子が恥じらいもためらいもなくイチャイチャできるのかというと、そもそも日本とイタリアではスキンシップの違いがあります。
恋人同士は、自分の親の前でも抱き合ったりキスをしたりするのが当たり前です。もちろん親の前でも平気でやるぐらいなので、友達の前や公園など公共の場でも行います。(もちろん人によるので人前でイチャイチャしたくないイタリア人もいます)
夫婦も子供の前でキスするのが当たり前です。むしろキスをしないと仲が悪いのかと子供が不安に思ってしまうほどです。
そして子供が大人にするスキンシップも距離が近いです。初対面で恥ずかしがる(警戒する?)のは日本人と同じですが、一度見方(?)と思うと距離の詰め方が極端で、二度目に会うときは抱き着いてくるほどです。
それが純真無垢な警戒心のない小さな子供ならまだわかりますが、10歳を超えてもこれをする子もいます。日本人がこの年齢で知り合いの大人に抱き着くことなんて滅多にないため戸惑います。(可愛いですけどね)
ちなみに、今回の旅行メンバーの娘(18歳)もこのタイプです。知り合いの60歳の男性にもちょこちょこ抱き着いていて、男性はデレデレでした。そりゃあ18歳の女の子がこんなに親しくしてくれるなんて嬉しいですよね。(変な意味ではなくて)
つまり、そもそものスキンシップの違いや人との距離の取り方の違いは日本人とイタリア人で大きく違う…というのはあります。
とはいえ、イタリア人全員が同じなような行動をとるわけではなく人によります。少なからず日本人よりは多いと思いますが。
また他人に対しては、男の子よりも女の子のほうがスキンシップ(知人に抱き着いたりなど)が多いです。
そして、例えば今回の主役である息子(15歳)の行動は、母親(50歳)にしかしません。姉(18歳)や親戚のおばさん(60歳)、ましてや私には母親(50歳)に行うスキンシップは一切しません。腕を組むことすらしません。
つまり、「そもそも文化が違うからスキンシップも違うのよね」とちょっと擁護してみましたが、母親のみに過度なスキンシップを取るということは、息子にとって母親は特別だということです。
まとめ
みなさん、どう思いますか?
私が思ったのは、「息子にこんなに慕われて幸せだろうな」と楽観的に、「こうやって嫁姑問題は起きるのか」と論理的に感じたのと同時に、「洗脳的だ」と異常性も感じました。
親子であっても行き過ぎたスキンシップは、親子の関係を超える可能性を不安視してしまいます。
この話を日本人の友達にしたところ、「無理無理、気持ち悪い」という反応をされましたが、これが正しい反応のような気がしてなりません。





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